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横川 三津夫; 斎藤 実*; 石原 卓*; 金田 行雄*
ハイパフォーマンスコンピューティングと計算科学シンポジウム(HPCS2002)論文集, p.125 - 131, 2002/01
近年のスーパーコンピュータの発展により、ナビエ・ストークス(NS)方程式の大規模な直接数値シミュレーション(DNS)が可能となってきた。しかし、乱流現象の解明とそのモデル化のためには、さらに大規模なDNSを行う必要がある。ピーク性能40Tflop/sの分散メモリ型並列計算機である地球シミュレータを用いて、大規模なDNSを行うためのスペクトル法を用いたDNSコードを開発し、既存コードとの比較により本コードの妥当性を検証した。格子点,1APでの逐次版の実効性能は約3.72Gflop/sが得られた。また、並列版の実効効率は、単体ノードにおいてプロセッサ数にほぼ比例し、AP8台で7倍近い速度向上が得られた。8台のマルチノード環境では、ノード数の増加に伴い速度向上率が低下するが、格子点数に対しピーク性能の25%の実効性能が得られた。
市原 潔*; 横川 三津夫; 蕪木 英雄
JAERI-Data/Code 96-012, 43 Pages, 1996/03
3次元圧縮性ナビエ・ストークス方程式のうち、最も計算時間を要する圧力方程式にDOループ分割による並列化を行った。red-black SOR法による並列化されたプログラムをVPP500およびParagon上で実行した結果、両者ともスケーラビリティの低下がPE数の増加とともに現われる傾向を共通している。その原因は、VPP500の場合は通信時間の増大とベクトル化効率の2つであるのに対し、Paragonの場合は通信時間の増大のみに依存していることが判明した。また、PCG法の不完全LU分解法にred-black SOR法を適用してVPP500上で実行した時は、PE数が1の場合は反復による実行ステップ数の増加にもかかわらず高いベクトル化効率による若干の実行時間短縮が図れる。しかし、PE数が4以上では、ベクトル化効率低下が著しいため、並列化のメリットが現れにくいことが判明した。
横川 三津夫
JAERI-M 92-038, 69 Pages, 1992/03
本報告書では、ナビエ-ストークス方程式とエネルギー方程式を用いて数値シミュレーションを行うことによって、電子ビームによる金属溶融過程の非定常特性を明らかにした。また、固液境界面の時間発展を融解熱モデルを用いて予測した。この融解熱モデルは2相ステファン問題を用いて詳細に検討した。一方、格子数やクーラン数を変化させて、非線形項に対する1次風上差分法と高次精度差分法の適用可能限界について議論した。高次精度差分法を用いた数値シミュレーションによる溶融層形状は実験結果と一致することが分った。さらに、溶融層内の流れをモデル化したマランゴニ対流のレイノルズ数依存性について検討した。この結果、溶融層の周辺部に生じる2つの渦は、溶融層を形成する上で重要な要因となっていることが分かった。